2023年10月14日土曜日

復旧対策

2023年6月末にメインで使っているMac miniが起動しなくなりました。
結果的には障害度が予想以上に大きく元には戻らなかったのですが逐一作業メモを残していたのでその時に行っていた対策あれこれを紹介します。

内容的にはMacの話ですがトラブルの元を探っていく方法の中でハードウェアに関する部分はWindowsが動くPCでも一緒の部分も多いので参考になればと思います。


 1  対策手順  
まず最初にトラブル後に行っていた対策を「やった順」であげておきます。
それぞれについては 2 以降に簡単にまとめました。
  • PRAMクリア
  • SMCリセット
  • メモリ差し替え(スワップ)
  • 交互にメモリスロット1つのみを使って確認
  • 新品のメモリに全交換
  • セーフモード起動
  • 内部 復旧システム起動
  • Appleクラウド 復旧システム起動
  • ターゲットディスクモードでストレージの状態をチェック
  • 外部起動ドライブを作ってそちらから起動

今回壊れたMacの仕様
  • 機種名LMac mini Mid2011
  • CPU:Core i7 2.7GHz(購入時BTOで変更)
  • メモリ:16GB(8GB x2)(購入直後に増設)
  • ストレージ1:256GB SSD(購入時BTOで追加)
  • ストレージ2:750GB HDD(購入時BTOで変更)
  • 壊れた時点でのOS:macOS 10.13 High Sierra



 2  経緯とセルフチェック〜その結果   
2023/6/28 Firestormのクリーンインストール中に画面がフリーズした。
すぐできる確認:トラブルの発生直後〜セルフチェック〜メモリのチェックまで。
※今回故障したMac miniはメモリアクセスが簡単なのでセルフチェックに含めていますが、メモリ関係が「簡単」に属するかどうかはPC次第です。

 症状 
起動バーが3/4くらいの場所まで進むとしばらくフリーズし勝手に再起動してしまう。
何度繰り返しても同じ箇所で再起動する。
 起動途中でフリーズ & 再起動 …これを繰り返すだけ 


 2-1   PRAMクリアを試す 
→再起動時にcommand+option+P+RでPRAMクリアを数回行う
→変化無し 

 2-2   SMCリセットを試す 
→電源への通電を止め、しばらく放電させてから電源ON
→変化無し 

 2-3   セーフモードでの起動 
→shiftキーを押しながら再起動
→起動しない 

 2-4   メモリ差し替え 
→メモリスロットを替える(Mac miniは2スロットなので挿し替えるだけ)
→再起動
→変化無し 

 2-5   メモリ単発挿し 
スロット1つのみの使用で起動(スロット2 x メモリ2枚の4通りを試す)
→変化無し 

 2-6   未使用新品メモリと交換 
2つのスロット両方に新品のメモリを挿して起動を試みる、
→変化無し 

 2-7   メモリ単発挿し 
新品のメモリをスロット片方ずつに挿して起動を試みる。
→変化無し 




 3  OSチェック〜その結果   
セルフチェックが全滅だったのでOS側のチェックに移る。
別の起動ドライブを使用して起動→検証・修復
「ソフト的な障害」「ストレージ側の問題」はここで判明します。
 これを行う方法はMacの場合4つあります。
  • 復旧システムから起動し検証/修復を行う。
  • USB接続など他ドライブから起動し本体内ドライブの検証/修復を行う。
  • Appleクラウド(インターネット上のシステム)で起動し検証/修復を行う。
  • ターゲットディスクモードで起動し別のMacから検証/修復を行う。

※「復旧システム」は検査対象のドライブ内に存在しますが、普段使っているエリアからは切り離された区画に置かれています。 (外付けドライブを用意する必要もないのでメンテナンスは通常こちらの方法で行います)

※このMac用に作ったISB外付け起動ドライブが見つからなかったので後回しにしています。
※復旧システムとは工場出荷時に組み込まれているメンテナンス用OSのことです。


 3-1   macOS復旧システムで起動 
(再起動時にcommand+R)
→起動しない 

 3-2   Appleクラウド復旧システムを使って起動 
(再起動時にcommand+option+R)

→準備が完了できない (ファイルロード中にタイムオーバーで失敗する)

 3-3   ターゲットディスクモードで起動し別のMacから様子を見る 
(Tを押したまま再起動 → 別のMscとFireWire800で接続)
→SSD側は「不明なディスク」と表示
→HDD側は正常にマウントできた
→つまりSSD死亡のお知らせ
→重用なデータが詰まっているのでSSDを取り外しデータ復旧サービスに依頼出しました。

 3-4   USB外付けドライブ起動 
(別のMacでこれを作るところから始めました)
→OSをAppleサイトからダウンロード
→DLできない! 詳細は以下・・・




 4  OSのダウンロードに苦労した件   


起動可能なmacがうちの場合OS X10.6(snow Leopard)で使っているMacばかりなので、それらの古いMacで作れる最も新しいOS 且つMac miniでも起動できるOS X 10.11(EL Capitan)で作ることにしました。

→AppleサイトからOS X 10.11(EL Capitan)をダウンロード
でも!何故かロードが読み込みが4GB辺りにくると止まる
これを数回繰り返してもダウンロード完了前に読み込みが止まる。

他にも
・OS X 10.10(Yosemite)
・OS X 10.8(Mountain Lion)
・OS X 10.7(Lion)
…で試しましたが全てダウンロード完了前に読み込みが止まる。

しつこく繰り返していたら読み込み0バイトで止まるようになりました。
明らかに通信上のブロック!!
ネットで情報を探してみると原因が判明。

4GB付近で通信が遮断されるのは楽天の通信制御。
(Deep Packet Inspectionで、大量のデータ転送時にRST+ACK(中断パケット)を投げてストップさせる)らしい〜

この日の約半日のデータ使用量は90GB程度
モバイル回線で半日で90GBってどうなの?…という問題は置いといて…それくらいしつこくOSのダウンロードを繰り返していました。

但し帯域制限(速度制限)は行なわれていないらしくタブレットでのYouTubeも1080p再生できるし問題なく高速で接続できた。つまり楽天モバイルがウリにしている”無制限”という表示はウソでないことはわかりました。

このことで一つわかったのですが、 3-2  Appleクラウド復旧システムを使って起動 …が、失敗に終わったのは一度に読み込むデータ量が4GBを超えていたのが原因と見て間違いないです。

楽天モバイルは4GBを超える大きいデータのDLができない!
その代わり帯域制限はないので使い放題っぽい。


何れにしても楽天モバイルでは大きいOSのダウンロードは無理なので先ずは4GB以上の大きなファイルを転送できる回線を調達する必要があることがわかりました。

数年前に解約した光回線の再契約も考えましたけれど開通まで時間がかかりそう。
別のモバイル回線の調達は時短できるものの後々無駄になりそう。
そう言えば空港などで扱われているSIMレンタルは? …と思い出したので検索していたらWiFiレンタルを見つけました。

SoftBank T6300 無制限(1日10GBまで)
早速レンタルしました。ここまででMac mini故障から2週間経過

…が、このSoftBank回線遅すぎです!

うちは楽天モバイルで40〜50Mbps程度(最低でも30Mbps前後)出ますが、ソフトバンクは60kbps〜1.5Mbps
それで4Gバイト以上のファイルのダウンロードは大変ですけれど・・・
申込時に申告していたレンタル期間ギリギリ使ってなんとか完了





 5  次の苦難?   

 インストールに時間がかかりすぎる 
OS X 10.11(EL Capitan)のインストーラーはDLできましたが、これを使っての起動ドライブ作りにまた障害がありました。

とりあえず普段から使っているキオクシアの64GBのUSBメモリを追加で買ってきたので、これを起動ドライブにするつもりでインストール始めたのですが… 時間がかかりすぎます。
結局13時間を要して作ることはできましたけれど… この調子だと読み込みにも時間かかるので起動に数時間待ちとか、とても現実的ではありません。

結局USBメモリを起動ドライブにすることは諦めて余ってるHDDを使うことにしました。


 結局これでも起動できない 
なんとか外部起動ディスクを用意できましたが、肝心のMac miniは起動できませんでした。
最初と同じ箇所で起動バーが止まり、そこから勝手に再起動を繰り返す現象です。

メモリは念のため新品のメモリに交換済。
Mac miniのSSDは取り外して業者にデータ復旧依頼済で本体内にはありません。
Mac mini2基目のストレージとなるHDDも念のためコネクタ抜いてあります。

つまり、SSDだけじゃなくマザボもダメになっている可能性が高いことが判明。
(一部の機能は動いていることから多分メモリコントローラーの故障だと思います)
2011年から12年間使っていたものですしPCとしては長持ちした方じゃないでしょうか。
この時点でMac mini本体の修理優先度は下がり新しいMacの調達に動く必要が出てきました。

Mac mini修理不可(確定) → 別のMac調達が必要になった。 







追記:2024年1月11日

 6  Macの更新   

普通に考えたら現行のシリコンMac調達が簡単だし安心できるのですが、念のためMacBookPro13をレンタルして普段使っているソフトをいくつか試してみました。
…が、一番肝心な仕事用のLogic Pro X関連をインストールして立ち上げたら凍りました。
ソフト本体はApple製なので全く問題ありませんがプラグインの一つが引っかかっているみたいです。

→調達するMacは現行Macではなく世代を少し遡る必要が生じました。
この際、シリコンMacではまだ不可能なeGPUを併せて構築して純粋に計算速度の底上げを行う方向で考えてみました。


・・・・9月中旬から模索を始めて調達完了したのが2023年11月終わり頃です。
そして全部揃ってから後はひたすら環境構築作業です。
※GPGPUが少し特殊な構成になってしまうのでドライバ周りも含めフルオーダーで作っています。


iMacの姿はしていますがワークステーションモデルなので中身が異なります。
CPU:Xeon
GPU:Vega 64X
eGPU(Thunderbolt接続):RTX-4090 x2基
OS:Ventura

GPGPUは計算に使っています。
・レンダリング全般
・PTGuiでの360度写真スティッチ

GPGPUのほうは家の分電盤から直接引いてるくらい消費電力が大きいため必要な時にしかONにしていませんがiMac内蔵のVega64も処理能力の高いGPUなので通常これのみで大丈夫。M1Ultraくらいはあるらしいので今風に強力です。
(Mac部部活を行っている場所で220fps〜 ホームで300fps前後・ともに影アリ設定)


今回最初からストレージを10TB分のSSD用意してメモリも128GB(このiMacは最大256GBまで可)まで増やしていますがBlenderで今後作るシーンの複雑化に対応させるためです。

0 件のコメント:

コメントを投稿