2019年6月30日日曜日

デジアカMac部・2019年6月30日

今回のテーマは「旅鉄が意識する列車形式です。

鉄道で旅行する際に過ごすことになる車内空間。
切符の予約時に「普通車指定席」「グリーン車指定席」「B寝台」「A寝台」…そのほか個室もありますが、運用される車両についての豆知識をまとめました。

もちろん旅行だけでなく普段通勤に使っている列車にも当てはめることが出来ます。
実際にはJR各社・私鉄で細かく違っていますが、今回はそのルールの土台になった形式の読み方をメインに紹介しておきます。

旅鉄の人にとってはよく知られている知識ですが、このルールを軽く覚えておくだけでホームに停まっている列車の各車両の役目・サービス内容・乗り心地についてある程度わかるので便利だと思います。
尚、わかりやすくするために細かい部分はかなり端折っています。

 1  種類
先ず前提ですが、列車の車両は電車・気動車(ディーゼル)・客車の3つに分けることができます。
現在は電池で動くものやハイブリッドもありますが、まだ数が少ないのでここれは割愛します。
電車
気動車
客車
電車架線から電気を取り入れ各車両のモーターをまわして動く列車
気動車燃料を搭載してエンジンをまわして動く列車(電化されてない路線も走れる)
客車電気機関車・ディーゼル機関車・蒸気機関車で牽引する車両。


旅行者目線での話ですが、同じ距離を走るものとして運転速度、つまり目的地への到達時間(所要時間)は
電車 > 気動車 > 客車です。
速達性サービスに特化した新幹線が電車なのはこのためです。

乗り心地は現在では特に違いはないので気にする必要はありませんが、古いものだと
電車 >> 気動車 >>>> 客車くらいの差があります。
 ※但し寝台列車など静粛性を高めた客車・電車の場合は
電車・客車 >>>>> 気動車くらいは離れていると思います。

※気動車は燃料積んでエンジンをまわすので車に近いですが、現在の多くの気動車はエンジンで発電してモーターを動かしているので部分的に電車とも言えます。



 2  動力分散型・集中型
客車は機関車が引っ張るものですがこれは動力集中型と言います。
海外の高速鉄道は先頭・後方2台の機関車で客車をサンドイッチして動かすものがありますが、これも動力集中型で加速はあまりよくありません

電車は動力分散型と言って編成の中に複数の動力車が紛れ込んでいます。
昔の新幹線は全車両が動力車でしたが動力分散にすると加速力のメリットがあります。

尚、「客車」は動力をもたない車両のことですが電車の編成の中には動力を持たない車両も紛れています。
電車の編成の中に紛れている動力を持たない中間車両のことは付随車と言います。



 3-1  電車・気動車の形式表示(数字部分は電車のみのルール)
形式と言うと専門的な雰囲気がありますが利用者としてはここが肝心です。
ここから読み解けるもの・・・・

モーター車中間車普通座席車交直流区間走行・特急車両…です。

旅鉄な人としてこう考えます。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  • ぁあ、特急か・・・でも 特急車両を特急料金なしで利用できる普通列車扱いの場合もあるので、それなら座席が良いから乗り得だな。
  • だとしたら自由席だからこの車両は(モーターの音がうるさいから)やめようかな 。
  • 特急列車での運用でも手元の切符が指定券でなければモは避けよう・・・
  • 交直流区間向けの車両だから電化区間ならどこでも走れるな(遠くへ行けるな)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 3-2  読み解き方(カタカナ部分)
 先頭のカタカナはその車両の役目を示しています。
 先頭車(運転室のある車両)
クモ 先頭車で電動車(モーター音が響く)
 中間電動車(モーター音が響く)
 中間客車(付随車)
 気動車(全般的にうるさい)
気動車は全体的にエンジン音がうるさいですが、特別に「キサ」と表示されている場合はエンジン類を搭載しないで遮音性能を高めている車両でこれは静かです。
(気動車は通常の場合サは付けません)

次位のカタカナはその車両のサービス内容を示しています。
 最上級車(グリーン車の上)
 グリーン車
 普通車
イネ 最上級寝台設備車…スイート以上の設備
ロネ A寝台車(開放寝台〜個室スイートまでを含む)
ハネ B寝台車(開放寝台〜B寝台個室までを含む)
 食堂車
 展望車
 ラウンジ
  • 次位カタカナは他にユ・ニ・ル・エ・ヤなどがありますが客扱いのない車両…つまり事業車両のことなので割愛します。
  • イを使用しているのは現在のところTWILIGHT EXPRESS瑞風などのクルーズトレイン他特別な列車のみです。
  • JR東日本・北海道・西日本の新幹線グランクラスはイ相当だと思いますが、新幹線車両はこの形式ルールは使用されていません。

 3-3  読み解き方(数字部分) ※電車車両の場合
100の位…は走れる区間を示しています。
日本の電化区間は首都圏を中心とした直流区間と地方の交流区間が存在します。
1〜3 直流区間用
4〜6 交直流区間両用
7、8 交流区間用
9 試験車両
交流区間には厳密には東日本の50Hz区間と西日本の60Hz区間がありますが、それをまたがって走行できる列車なのかは1の位で判別できます。ここでは割愛します。

数字部分(電車車両の場合)
10の位…は列車種別を示しています。
0〜4 通勤・近距離近郊型車両
5〜7 急行型(現在では特急型にも使用されています)
8 特急型車両(現在はあまり使用されていません)
9 試験車両
JRが急行を廃止したため数字の割り振りも移動し、現在では8は事実上欠番となっています。

数字部分(電車車両の場合)
1の位は様々な意味を持ちますが、利用客の目線ではバージョンだと思えば良いです。
例えば181系の改良版が183系、そのあと185系、189系のように続きます。明らかに先頭車のスタイルも異なっている場合もあります。

交流区間を走れる電車の場合は後のバージョンアップで50/60Hz両用になった…等が相当します。
※1の位に続く-以下の数字は製造番号の場合が多いですがバージョンを示すこともあります。

 4  解いてみよう

クハネ583 先頭車でB寝台車・交直流区間を走れる電車。バージョンアップで50/60Hz対応になってる。
サロ165 中間付随車でグリーン車・直流区間のみ走れる急行電車。
モハ651 中間電動車で普通座席車・交直流区間を走れる特急電車。
キイテ87 気動車で上級展望車。8を冠するので特急(優等)列車。

※気動車は数字は2桁表示なので上の表では10の位・1の位を当てはめます。





以下は客車・気動車のルールですが、列車種別やサービス内容は概ね上で説明しているルールが適用されます。
そのルールとは異なる部分について少しめとめておきました。
運用都合のものなので知らなくてもいいかな…程度の情報です。

 5  客車
客車は機関車で牽引して使用するので重さでわけられています。
運用都合なので乗客としてはあまり意識しなくても良いと思います。
 22.5t未満
 25t前後
 30t前後
 35t前後
 40t前後
 45t前後
 47.5t以上
※次位のカタカナはその車両のサービス内容を示しています。そちらをご覧下さい。

数字部分 10の位
1 分散電源方式 (サービス電源を分散させているという意味)
2・7 集中電源方式 (サービス電源車をかかえた編成という意味)
3・5 一般形
その他 設定なし

数字部分 1の位は0〜7が入ります。意味はありますが気にしなくて良いです。

 6  気動車
キハ、キロ、キシ…(気動車普通車・気動車グリーン車・気動車食堂車)
最近ではキサイネという車両もあります✿

数字部分は 3-3  …の10の位・1の位を参考にして下さい。


 7  番外
下に貼った360度写真は東武鉄道スペーシアの個室です。
先頭の1両に部屋が6つあります。
この電車はJR線にも入線しているのでその場合は(他の座席車両より上位という意味で)グリーン個室扱いとなりますが、
形式はモハ100-1形です。
リンク:ストリートビューで見るモハ100-1の客室

数字部分は、これは私鉄なので独自に定めているのでいいとして 
先頭車なのにを表示していない。
グリーンなのに他の車両と同じくハ。
…などこのページで紹介したルールが適用されてない箇所が見られます。

結局は私鉄として独自に決めていることですから今回紹介したルールは国鉄時代の基本ルール+JR化後に追加修正されたものだと考えて下さい。

✿尚、この電車は日光付近の勾配に対応するため全車両電動車(モーター車)です。

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