そして来年2020年は五輪もあるしテクノロジー界隈や社会全体でも「なにか色々」新しいコトが待ち構えていそうな・用意されていそうな、そんな期待と不安のある年に感じます。
と、いうわけで今回はその要素のひとつ・2020年にローンチされる5Gについて簡単にまとめてみました✿
5Gって広告謳い文句に踊らされてるようで、何かよくわからないけどすごいんだ!速いんだ!って漠然と期待感を煽られている感じがします。
なので出回っている情報のウソホントをざっくり整理しておこうと思います。
図解が少なく殆ど文字ですみません。
思うことをたらたら書いていたら文章だけで長くなってしまいました✿
部活時間に 要点のみを伝えていければと思います。
テーマ「5Gに騙されないために」
や、別に5G自体は現在の4Gからの流れ・次世代として拒む要素はありません。
但し、わからないまま売りたい派の営業トークに乗せらるのは避けたい。
イノベーターや、アーリーアドプターでなく「ゆっくり時を待って」もっと後ろのレイトマジョリティあたりで導入!という感じでいいんじゃないかな?
その方がイライラしないですみそう〜というお話です。
1 予備知識 -1- ( 騙されないために知っておくこと )
騙されないため…って表現するとアレですが、溢れ流れている情報のドコをどう見ればいいのか・翻弄されずに自分なりの解を見つけられるのかという話題です。
予備知識として先ず5Gは段階的導入でやってくる…ということは知っておいて下さい。
また、5Gについては様々な夢が描かれていますし何れはそういう世界になるのは間違いありませんが、先行してやってくる5Gが何者なのかを知っておくことは大切です。
1-1 それは紛い物?
言い方は酷いかもしれませんが紛い物を売れるだけ売って本命が来るまで場をつなげる(シェアを得る)作戦…とユーザーの立場からは感じるかもしれません。
念のために言っておきます。紛い物と言うと身も蓋もないですが、技術面・コスト面などの事情もあってこの段階的導入は避けられない部分は確かにあります。
(わざと本来の5Gとは別のものを先行させてるわけではありません)
でも先行するサービスも名称が同じ5Gであるためその謳い文句に騙されてしまう人は少なからずいそうです。 情報収集を怠った個人の責任ではあるのですが、その人達の目には間違いなく紛い物に映ると思います。
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後ろの方で詳しく解説しますがローンチ時に来る5Gは本当の意味での5Gではなく、最初に出てくるものは全て「改良版4G」です。電波の特性上届きにくくなる本命を補完する役目を担っています。
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一方、提供側のマーケティングとしては今までのもの(4G)と違うサービスであることを強調・差別化して売り出したいわけですし技術運用面の希望としては騙される人を少しでも多く引き入れて公開テストも行っていきたい …という思惑は少なからずあるかもしれませんね。
それはともかくとして、使う側・お金払う側としてはこれから始まる5Gがどんなサービスなのか予備知識は持っていた方が良いのは確かです。
ただ…5Gがどういう特徴を持っているのかはもちろん提供側は把握していますけれど、数年以上先の将来の5Gの姿は提供側も想像や努力目標での話をしています。
後で説明しますが、5GはB2B2Xなので活用例見ても個人に関係なし?
たくさんの夢が描かれてたりしますが、漠然としてて自分の便利とどう繋がるのが見えてこない! …と、いう方は多いかも。
1-2 提供価格はどうなる?
個人は対象にしてない5Gとは言っても、対キャリアとして考えれば今までと何も変わりませんしLTE置き換えとして接することになりますからやはり通信価格・毎月の維持費的な部分… お金の話は気になるところです。
私達ユーザーとしては5Gが提供する(らしい)様々な機能を頂に掲げた美辞麗句よりも先ずは回線速度とかその料金が関心事。
その料金ですが、これはキャリア次第になるので提供開始されるまでは不明です。
4Gと平行して存在する期間は特別なモノとして高い料金設定も普通に考えられますが、5Gで統一された頃にはそう高い設定にはなっていないような気もします。
その根拠として…2019年10月に第4のキャリアとして登場した楽天が(運用コストを抑えられる)仮想通信システムを持ち込んだため低価格提供が現実的となりましたしこれはソフトウェアアップデートのみで5Gにも活かされます。
そのような楽天の(世界に例を見ない:つまり世界初)新戦術を前に他3キャリアも今まで通りの殿様商売的な価格設定は厳しくなっていくものと思われるからです。
ただ…もしかしたら他3社が追従できないうちの低価格設定はやめてくれ的な要望や政治的圧力もしくは指導が入って低価格路線にブレーキがかかることも考えられますが・・・
でも、何れはどのキャリアも仮想通信に移行しますから数年のタイムラグはあるものの徐々に提供価格は下がっていくものと予想されます。
つまり5Gだからと言ってバカ高い価格設定のままずっと…ということは考えられません。
もちろん、5Gという特別感をウリに何か付加価値という騙しを付けて高価格設定するキャリアも出てくるかもしれませんが、こういう態度を強行するキャリアは総スカン!
公共サービスを提供する企業の姿勢ではありませんからその時点で見捨てて他社に乗り換えても良いと思います。
2 予備知識 -2- ( 騙されないために5Gの正体を知っておこう
2-1 5G導入のスケジュール
2020年 | 5Gサービス提供開始(主にeLTE・ここでは便宜上偽物とします) |
2022年 | 5Gの本物サービスがごく一部の特定区域内・特定施設内で開始 |
2022〜2027年 | 都市部から順次本物サービスのエリアが拡大されていく予定 |
202X年以降 | 5Gがベースにあるサービスの恩恵を受けらるようになる。 |
上の表で2020年の5Gサービス開始と2022年の本物サービス(NR)開始は決定しているものですが、そこから先のスケジュールは努力目標みたいなものと考えて下さい。
私達に関係あるキャリアの5G個人向けサービス開始はdocomo・au・Softbankが2020年3月前後・楽天mobileが同年6月を予定しています。
尚、2019年4月に5Gの商用サービスが始まった韓国ですが、現在のLTEに隣接した3.5GHz帯のみのため明らかに以下に示すeLTEと同等のものであることがわかります。
日本の5Gはサブに6GHz帯域(3.7〜4.5GHz)・メインに28GHz帯域を使う2本立て…を本命の5Gとしていて、本格的にその体制になるのが2022年〜ということになります。
※2020年の5G開始当初からこの状態になっているエリアもあるそうですが私達はあまり期待しない方が良いです。
※日本国内での電波割当ですが、docomo・auは2セット、大規模障害をやらかしたばかりのSoftbankと新規参入の楽天は1セットとなっていますから最初の時点での展開しやすさで言えばdocomo・auに軍配が上がります。
2-2 5G仕様の中身
5Gは次の2つで構成されています。
Enhanced LTE | 略称:eLTE LTEの発展系(5G併用版) 周波数帯:3.7GHz、4.5GHz |
New Radio | 略称:NR 5G本来のパフォーマンスを持つ仕様 周波数帯:28GHz、38GHz、71〜76GHz |
=上表の解説=
✿ EnhancedLTE(eLTE)
-2020年の5Gスタート時は既存LTEの置き換えやすさ重視なので5Gとは言っても殆どをこのeLTEで占めることになります。
-周波数帯がLTE並のため(同じ電波特性のため)既存の基地局設備をそのまま置き換えることができ高速にもなりますが、LTEと比べ劇的な速度改善までは望めません。
eLTEは電波の届きにくい5G本命であるNewRadioを補完する役目もあります。
-周波数帯がLTE並のため(同じ電波特性のため)既存の基地局設備をそのまま置き換えることができ高速にもなりますが、LTEと比べ劇的な速度改善までは望めません。
eLTEは電波の届きにくい5G本命であるNewRadioを補完する役目もあります。
✿ New Radio(NR)
それに対しNRは本命の5Gであり明らかに異なる次の3つの特徴を持ちます。
eMBB(高速大容量通信):20Gbps
mMTC(高接続密度):10✕106 個/km2
URLLC(超信頼性低遅延):1ミリ秒
eMBB(高速大容量通信):20Gbps
mMTC(高接続密度):10✕106 個/km2
URLLC(超信頼性低遅延):1ミリ秒
2-3 電波の回り込みについて
電波は反射/透過したり回り込んだりしますが、これは周波数と大きく関係してきます。
昔あったポケベルは周波数が低く障害物関係なくどこでも届くものでしたが、ケータイの時代に入ってから周波数帯が一般ユーザーへの説明に登場するようになりました。
つまり周波数帯がサービス品質に密接に関係しているということです。
ポケベルは230MHz・・・ケータイは800MHz〜
以前、プラチナバンドとして度々ニュースにあがっていたのは800MHz前後の周波数です。
携帯電話としてはこの周波数帯が電波の届きやすさとして最も優れていて、基地局の数も減らすことができます。
但し、音声のみ届けばオッケーな携帯電話として…です。
高速通信となってくると800MHz帯は心許なく、高速通信に適したGHz帯へ向かうことになりました。
でも周波数を上げると電波は障害物に弱くなるため、基地局をたくさん配置する必要がでてきます。
上の 2-2 で示した5Gの中身…eLTEとNRの周波数帯を見るとわかりますが、NRは周波数がかなり高く、高速通信には向くものの障害物にとても弱そうだということがわかると思います。
現在はLTEあたりの周波数帯ならばカバー率の面で言っても十分な基地局が配置されていますから、NRの届きにくさを補完するためeLTE併用の形で導入を進めていこうという計画です。
![]() |
周波数の高いNRは建物の裏側へ電波が届かない |
![]() |
周波数の低いeLTEでカバー範囲を広げる |
時間経過とともにNRネットワークが張り巡らされていけば「どこでも高速」が期待できるようになると思います。
※5Gとかは関係ありませんが、普段使っているLTEスマホの屋内使用・電波透過性を意識した速度改善策についたブログ記事はこちらです。(2018年春の記事)
2-4 5Gでできそうなこと
上の 2-2 に書いてあったNew Radioの數字を見ても全く実感ありませんからこれでできそうな応用例をあげておきます。
高速接続・AI 画像解析を使用して都市空間セキュリティ |
高速接続・触覚伝送・低遅延性を利用して遠隔ロボットアーム操作(遠隔手術等) |
高速接続・低遅延性を利用してMR遠隔会議 |
高速接続・大量機器接続・低遅延性を利用して自動運転システム(集中管理可) |
2-5 流れとして5Gの時代はB2B2Xとして動いていくということ
・・・・と、見るとイマイチ個人にとってはどうでも良いような気がしてきますね。
現時点で出てきている主な活用法はどれも企業向けに見えます。
実は5Gは B2B2X(パートナーコラボレーション)のサービスですから、メインプレーヤーである真ん中のB(企業)向けの提案が多いんです。
5Gが誰に対して売り込まれていくサービスなのか? もう一度書いておきます。
「 B2B2X 」 …こんな感じです。
つまり個人にとってはオーバースペックっぽい仕様なので個人のキャパ超えてる部分はノーカウント。 結局LTEとあんまり変わらないんじゃ?ということになってきます。
でも、それは今だからそうなっているだけで… 5G時代に突入してしばらく経てば必ず個人向けの便利が見つかる筈ですし、そもそもメインプレーヤー(真ん中のB)は主に個人をターゲットにした商売を行うわけですから最終的には誰にとっても有用なインフラサービスになることは間違いありません。
※B2B2X …BtoBtoXとも言います。B2B2CだったりB2B2B(CだったりBだったりな)なのでXとするんだと思います。
3 で…すごいの?すごくないの??
再度問いたい!5Gって私達にとってどれくらいメリットを感じるものなのか?
そのあたりを4Gとの比較數字で見ていきます。
4 G | 5 G | ✕○倍 | |
体感速度 | 10Mbps | 100Mbps | 10倍 |
遅延 | 1/100秒 | 1/1000秒 | 10倍 |
接続密度 | 10✕105 /km2 | 10✕106 /km2 | 100倍 |
データレート | 1Gbps | 20Gbps | 20倍 |
接続維持速度 | 350km/h | 500km/h | 1.5倍 |
※接続維持速度500km/hというのは例えば時速500キロで走行中のリニア新幹線の車内からでも途切れず接続が維持できるという意味。
3-1 低遅延化が一番のウリかもしれない
上表の通り5Gの特徴の一つに「低遅延化」かあり、これが5Gの高速性を支える一番のウリとも言えますが、あくまでも電波ネットワークの範囲に留まります。
つまりその先のインターネット自体の遅延は避けることが出来ません。
ここは要注意です。
…とは言っても実際問題インターネット側の遅延は酷いものですからこのままでは5Gのメリットを活かせなくなります。
そこでリアルタイム通信が必須な自動運転等の用途向けに基地局側にサーバー機能を持たせてインターネットを使用しないモバイルエッジコンピューティングという方法も考案されています。
個人にはあんまり関係ない話題に聞こえますが詳細は次項を御覧ください・・・
3-2 とりあえず!何気に速く快適なのかなあ・・・
と、いうわけでざっくり体感速度で10倍くらいあるので速いと言えば速いですが、夢のような新規格として謳っている記事や広告もあるため、もっともっと高速だと思っていた…と少し残念に感じる方もいるかもしれません。
✿実際はもっと高速ですが個人向けの部分では10倍くらいで考えておいたほうが良いです
✿エッジコンピューティングが入ってくるので場合によっては瞬速爆速ケタ違い!と感じるシーンも出てくると思います。
単純にスマホのネット通信だけ見るならサービス利用料金が今より安くなって10倍速いならまあまあ良いとも言えますが、一番ありそうな懸念材料・・・その頃のコンテンツ・データの大きさという要素をどのくらい処理できるのか?
そして、受けるサービスによってはB2B2Xの真ん中の企業が提供するサービスの質や速度コントロール下に入るわけですから見えにくい部分もあると思います。
4 エッジコンピューティング
上の 3 で少しだけ触れたエッジコンピューティングですが、これは一言で言うと5Gの低遅延性を確実なものとする技術です。
実のところ5G技術&恩恵の半分以上を占めているものとも言えますが、ここでは個人にとってそれが何を意味するのかをまとめています。
先ず5G時代に入った最初の年(2020年)私達が1日に行う通信の容量ですが、これは平均11.5GB程度になると予想されています。
1人が1日に行うデータ通信量が11.5ギガバイトです。
それだけクラウドへの依存度が増すということですがこれは帯域圧迫へと繋がります。
つまり処理に時間がかかる・重さが増すという感覚で間違いありませんが、エッジコンピューティングはそのデータの処理を全てクラウドに任せるのではなくより端末に近い部分で処理してしまおうという発想です。
4-1 エッジ
ところでエッジとは何なのかと言うと端(先の方)と言う意味です。
簡単に言うと一番先には私達の手元の端末・クライアントとなる機器があるわけですね。
末端の「端末内で処理できるもの」からクラウドで処理を行う必要がある情報など私達の身の回りの情報扱いは様々な形体があります。
つまりサービス内容や目的によって情報をどこの段階で処理するかという概念がエッジコンピューティングで下表で言うとインターネットから先の部分が該当します。
何れにしても一言で「エッジ」と言っても何段階かに分かれています。
クラウド | 各事業者が独自に容易する設備。 |
↕インターネット・自社保有独自回線 | |
データセンター | クラウド接続点 |
↕インターネット | |
ネットワーク接続点 | 通信事業者局舎 |
↕インターネット・及び専用回線による通信 | |
ネットワークエッジ | 基地局・局内データ処理施設 |
↕5G通信(遅延1/1000秒の特徴が活かせる) | |
カスタマーエッジ | ユーザー側施設等 |
↕5G通信(遅延1/1000秒の特徴が活かせる)または有線による通信等 | |
デバイスエッジ | ユーザー端末 |
ユーザー端末に近い側で処理するほど速度が維持されることになります。
用途・目的によってどの段階の「エッジ」で処理させるのか変わってきますが、例えば車の自動運転化に際してはネットワークエッジ(基地局内)で処理を行うことになります。
4-2 エッジの特徴・メリットとデメリット
私達Second Lifeユーザーだとわかりやすい部分ですが、エッジで処理するのかクライアントで処理するのかの違いはこのように解釈できます。
※ここでは5G云々はひとまず置いて、更にクラウド・デバイスエッジ の2つを例にします。
- デバイスエッジ:3Dグラフィックの処理を目の前のPC内で処理させる(通常のSLビューア)
- クラウド処理:クラウド側で処理させてその映像のみを送ってもらう(かつて携帯向けSLサービスを行っていた東京0番地やタブレット向けSLクライアント等)
デバイスエッジ(通常のSLビューア)は性能の良いグラボが必要ながら高速な処理が期待でます。但し自前で用意する必要アリで消費電力も大きい。
一方、クラウドで3D処理を行う後者は処理は遅いですがユーザー手元の端末に負荷もなく消費電力が小さいです。
クラウド側処理ビューアは日本のSLユーザーには今は馴染みがありませんが、そうでなくてもクラウド・デバイスエッジは次のように表現できます。
通常のSLの仕様→ 私達ユーザーはシムやアバター&持ち物をクラウド側で処理してもらい…
そして空の設定や3D演算描画を目の前のPC処理(デバイスエッジ)に任せています。
5G云々とは関係ありませんが、ある意味10年以上前からこの仕組を使ってきたことになります。
参考動画:普通のインターネット用のブラウザ「Safari」でインしたもの。ユーザー操作の移動は信号としてクラウドへ伝えられ、そこで3D処理を行った後にSafariにその映像のみが届けられてる仕組です。→参考動画へのリンク
一般的な処理に話を戻しますがエッコンピューティングのデメリットとして・・・
エッジ側の処理はデータを保存する場所が分散するためセキュリティリスクが高まります。
簡単に言えばID・パスワードが複数必要になったり放置の末にデータの紛失・忘却・盗用があげられます。
クラウドでの一元管理では起こりにくいものですね。
5 米中経済戦争 ( 今後の行方について)
5G…第5世代通信移動システムは現在ちょっときな臭いです。
ここまで見てきた通り、5Gは個人の通信環境を底上げするというレベルではなくあらゆる公的インフラを対象にした・また組み入れられる大変大掛かりなものとなります。
つまり5Gの主導権を持った者には莫大な利益が流れ込むので国の経済力をも根本的に左右してしまいますし、もしシステムにバックドアなどが仕込まれていたら国をまたいで公共インフラ及び軍事に至るまで全てを遠隔に麻痺させてしまう等、テロを誘発させたり相手国の軍事活動の押さえ込み…迄の可能性も懸念されますからどの企業が(国)が主導権を握るか事は重大です。
5-1 Huawei・ZTE排除は言いがかりか?
米国が中国HuaweiやZTEを安全保障上排除したことは記憶に新しいですが、もし正当性を欠くただの言いがかり的な理由だったとしても当然のことだと思います。
それくらい恐ろしい未来が描かれているからです。
Huawei(華為技術有限公司)…その名前が示す通り、中華の為の企業として中国の為に動くことは想像できますから懸念は仕方ないですね。
- 中国政府が2017年に制定した「国家情報法」は政府に対しての協力義務を定めたものです。
- 第7条:全ての中国国民は国家のインテリジェンス活動(諜報活動)を支援する義務がある。
- 第14条:諜報活動を行う機関は、関係機関や組織(企業など)、国民に対して必要なサポートや支援・協力を要求することが許される。
5-2 中国の動き・強硬策に出ていることも明らかに
また、第5世代移動通信システム導入に際しHuaweiと契約しなければ貿易協定を締結しない…と小国に対し脅しをかけていたことが最近(2019/12)明らかになったばかりです。
しかしながら事実上Huaweiが先頭に立っていることは明らかで、全体としてはHuawei一択へ動き始めている国も多いです。
5-3 5G主導権を取りに行っている企業(3大企業)
5Gシステム関連の取扱製品 | |
中国 Huawei | 通信ネットワーク・基地局・端末 |
フィンランド Nokia | 通信ネットワーク |
スウェーデン Ericsson | 通信ネットワーク |
上の表を見ればわかりますが、Huaweiだけが全てを扱っているので「全てお任せで5Gを導入し時間かけずに構築したい」と考え安易に選択する国・企業が出てくるのは…堕とされやすいのは容易に想像できます。
今スタートラインですし各国が最終的に何を選択することになったのかは遠からず集計で具体的な數字が見えてくるものと思いますが、例えばカナダでは国民の57%がHuaweiによる5Gネットワーク整備参入に反対している等。国の方針に国民がNOを出しているところもあります。
5-4 日本はどう動く?
そんな流れがある中での日本の立ち位置ですが、日本は基地局・ネットワーク構築について各メーカーの技術研究の下地もあり秀でているため2030年代以降の6G時代を見越してアメリカと協調し先行して6Gシステムを構築する狙いの舵取りをはじめました。(2019年10月安倍首相指示)
6Gシステムは下位の5Gへ接続できますが、中国主導の5Gでは6Gに接続できないため事実上の排除を意図しています。
2019年・NTTが世界で初めて無線による100Gbit/Secデータ伝送実験を成功させていますが、この数値はLTEやWi-Fiの約400倍。5Gの約40倍に相当する伝送容量です。
この実験は起動角運動量多重伝送技術という量子分野の技術を用いたもので他国企業が簡単には真似できないテクノロジーです。
今後はNTT・SONY・Intelで6G標準化を目指すという流れです。
次々世代6G事情ですが、中国は技術ではだいぶ後ろにいるものの国策として前倒しで研究開始したので10年後の情勢もやはり中国支配による厳しいものになっている懸念はあります。
6 結論…暫定的なものですが。
話を「個人の選択」に戻しますが個人にとっての5Gは(B2B2Xなので)間接的に恩恵受けるカタチになるのでメリットがわかりにくい部分あると思います。
強固な都市空間セキュリティは安全な街づくりに欠かせなくなりますし、あるいは遠く離れた名医の手術を受けられる遠隔手術もオッケーということになってくるわけですから、次のように捉えておいた方が良いかもしれません。
「5Gは社会システムの神経を構築するもの」
「4G類似サービスとして個人が速度を議論するものでもない」
もちろん4Gよりはかなり快適になる筈ですが、コンテンツのデータ量も肥大化していきますから最初の期間(eLTEのあたり)では結局あんまり変わらないと感じることも多いかもしれません。
何れにしても置かれてる環境によってもそれぞれ感じるものは変わってくると思いますけれど、多分きっとそういうことなんだと考えゆっくり俯瞰で物事の動きを見ていれば損な選択はしないと思います。
7 健康被害について
電波は電磁波の一つです。
かつて携帯電話から発する電磁波による健康被害が大きく騒がれていました。
実際には今も継続中の話題ですけれど、人々の関心がスマホに便利を求める方向に傾いたため電磁波健康被害説はあまり目立たなくなったという感じだと思います。
7-1 5Gと健康被害
そんなところで、またどうして5Gのタイミングでこの話が持ち上がってきたのかというと他国から5G健康被害に関する話がいくつか漏れ聞こえてきているからです。
例えばベルギーの首都Brusselsでは安全基準に適合していないという理由で5Gの導入が見送られましたし、アメリカでは5Gを試験導入していた地域で人体への異常が認められたこともあり健康被害についてそのリスクの存在を捨てきれないため政府主導ではなく民間主導として進めることになりました。
日本では今も都市伝説的な解釈すらある電波〜電磁波〜健康被害の話題ですが、世界的に見るとこの電磁波過敏症は2005年にWHOが認めた症状となっています。
特にこれから来る5Gでは、電波の特性上 直進性が強い …ため、基地局の役目をする送受信施設が街中あちこちに配置されることになり、逃げ場所を完全に失うと思います。
7-2 電磁波の危険性
電磁波が物質に影響を与えるのは物理の基礎でもありますし当然科学的に裏付けされている事実ですから対象が生体へ向いた場合も何かしら影響を加えるものであることは確かです。
つまり電磁波 = 人体への影響 …白が黒かで言うならもちろん黒です。
放射線(エックス線、ガンマ線)も電磁波ですから人体に何かしら影響を与えるものだということは想像ができると思います。
そして「人体への影響」…これが直接健康被害へ結びつくレベルなのかどうかがここでの論点となります。
7-3 5G/健康被害について現状は
その上で以下のような選択肢が考えられます。
- 影響量は無視できる程度。つまり許容範囲内としてスルーする
- 社会問題として電波が発生するインフラをこれ以上増やさないようにする
- 電磁波ゼロを目指し全ての文明を捨てて鉛で覆われた闇の中で生活する
スルーと書くと不安を感じますが5Gの周波数帯域の電波に関して人体への影響について充分に検証を重ねており、ばく露限界値(連日繰り返しばく露されても健康に影響を受けないと考えられている濃度又は量)以下では人体への影響は認められません。
7-4 話の落とし所
まぁそうは言っても現実に脅威を感じている人から見ればとんでもないことですね。
でもここの線引は大変困難です。
電波(電磁波)=とても危険。その環境に晒されている自分は…という強い思い込みから実際に出てくる症状は科学上での解釈である”ばく露限界値”云々ではなく、本人の精神(思い込みによる発露)から来ているものですが、ここまで話を引っ張ると責任の所在が不明確です。
7-5 電波の正体を知っておく
放射線は粒子線と電磁波の2つに別れますが、この中でアルファ線・ベータ線・中性子線・エックス線・ガンマ線はエネルギー値が高く人体へ大きな影響を与えます。
電波や可視光線も電磁波の一種になりますが、エネルギーが低いので厳密には放射線とは呼びません。
私達が日ごろ浴びている光(可視光線・赤外線・紫外線)も電磁波ですから、一口に電磁波による健康被害と言ってしまうのは大雑把なものであることがわかります。
でも高いエネルギー値だとどれもが有害です。
地上で太陽光を集光すれば3000℃に達しますから金属をも瞬時に溶解しますし、強い紫外線は目も皮膚も焼きます。放送局のアンテナのそばではたいていの電子機器が異常動作・そして人体も蓄熱します。
つまり世の中を飛び交ってる電波はエネルギー値の低さをその存在が許される担保としていると考えると良いと思います。
電波過敏症の方はその安全圏の電波にも反応してしまう体質のことを指し解決すべきテーマですが、相乗りするカタチまたは思い込みで電波健康被害を訴える人たちも多いようです。
8 イノベーター理論
5Gねぇ〜 色々書きましたが実は私自身は関心ないですw
それでも執拗に技術情報を追いかけているのは自分が損しないため!
ところでモノを(自身の便利のために)採用する…どの段階でそのように心が動くのか・・・を5段階に分けたイノベーター理論がありますよね。
- イノベーター(革新者:新しいものを自ら進んで採用)
- アーリーアダプター(初期採用者:流行に敏感で自ら情報収集を行い判断する)
- アーリーマジョリティ(前期追随者:話題になっているものを購入する)
- レイトマジョリティ(後期追随者:革新的な商品や新技術に懐疑的)
- ラガート(遅滞者:新しいものに興味関心がない。むしろ受け入れたくない)
…この5つです。
ネットで積極的に5G関連の情報を発信している方は少なくともアーリーアダプターだと思いますが、 私は間違いなく「ラガート」ですヽ( ´ー`)ノ
周りが5Gで埋め尽くされ、その5Gを避けると余計な費用負担と時間の投入が必要!…みたいな明らかな不利益を被ることが判明してから腰を上げることにします。
まぁともかく5Gの時代に備えるための知識・その情報収集は今のうちから始めておくべきですが、それは後々の判断材料や損しないための明確な指針になるからです。
無駄金は1円たりとも払いたくないからʕ•ᴥ•ʔ
こんな具合に自分がどのあたりの層に属するのか? どのへんで導入に動くと自分的に心地よいのかを今一度考えておくのも良いと思います。
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