今、写真撮影に使われている道具の最大勢力は間違いなくスマホだと思われますが、ここではスマホの話題は一切扱いません。コンパクトデジタルカメラを前提として購入時の選び方やその使い方のお話になります。
尚、デジタル一眼やミラーレスの話題にも少し触れることになると思います。
これはシリーズとしていくつかに分けます。
まず最初に・・・
自分が撮る『写真』に何を期待するか、そこを考えると道具選びから始まるその一連のプロセスの中ではスマホは候補のひとつにすぎません。
写ルンですも健在ですしプリンター内蔵インスタントデジタルカメラやフィルムカメラのチェキのようにその場で写真を出せるものもあります。
そしてここでメインで扱うコンパクトデジタルカメラ(デジタル一眼・ミラーレス)等々、写真を撮る道具の選択肢はたくさんあります。
悩んだ末にスマホを選ぶことになってもそれは選択としてアリです。
と、いうのは(機種次第ですが)スマホでも各要素を個別に設定できるものも存在するので、わざわざコンデジを買うまでもない…と結論に至るのも判断としては正しいですから。。。
何れにしても色々知って選択肢を持つことは重要ですから、そのための指針としてまとめています。
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模範解答的な選択
スマホのカメラに依存していたけれど…ちょっと写真が楽しくなった!もう少しこだわって撮影してみたい!
…という方が最初に選ぶのがコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)だと思います。
メーカーのWebサイトではざっくり初級モデル・中級モデル・高級モデルと3つに分けられていることが多いですがこの中からどれが一番自分の希望に合うのかスペックを見ても見当がつかないかもしれません。
手っ取り早く目的から選択するのならば…
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■スマホではなく「カメラ」を持ち歩いて気軽に撮影したい。
と、いうことはカメラ自体が小型軽量でバッグの片隅に入れておけるものとなります。
そして気軽に撮影ならばフルオート任せ中心の撮り方になると思います。
ならばコンパクトデジタルカメラの初級モデルが適していますね。
価格帯では1万円を切るあたりから2万円台までが初級モデルになります。
〓初級モデルのメリット〓
- 価格が安い
- 使用しない時はレンズが本体内に全て収納され薄くそして軽量。携帯しやすい。
- 撮影モードも殆ど料理・花・人物・風景等のシチュエーションによる選択のため難しい部分がない。
- ”カメラ”専用ハードとしての機能や操作性を持っているため扱いやすいです。
■携帯性は維持したまま撮影にこだわりたい。
絞り優先・シャッタースピード優先等を使って写真に自分の意図を反映させたい場合は中級モデルが理想です。
中級モデルはデジタル一眼所有者のサブ機として愛好者が多いクラスです。
1秒あたり10枚前後の連写機能を備えているモデルがありますが、この連写機能があると動きの速い乗り物やスポーツなどの撮影に適しています。
ただ、現在この中級モデルの立ち位置は微妙で各メーカーとも後継・新モデルはセンサーサイズをアップして上級モデルへシフトしています。そのため少し前のモデルが安く手に入ります。
元々中級は5〜8万円台の製品ですが現在は旧モデルとして3〜4万円台で売られていることが多いようです。
〓中級モデルのメリット〓
- 適度な重量でホールド感が良く扱いやすい。
- マニュアル撮影をはじめ絞り優先・シャッター速度優先など都合に合わせた撮り方ができる。
- 連写機能は中級モデルから備わってることが多い。動きの速いものを撮るのに適している。
- 使用しているセンサーが比較的大きいため画質的に優れている。
■遠くのものを撮影したい。
デジタルカメラならたいてい光学5〜10倍前後の望遠機能は持っています。普段の撮影ならおそらくそれで必要十分ですが光学50倍、60倍を超える高倍率ズームカメラも存在します。
この倍率になると月を画面いっぱいに捉えてクレーターの細部まで写せるようになります。
但し本体に収納できるレンズ部分に限りがあるためレンズ収納状態でも凸状になり携帯性は損なわれます。
高倍率ズームカメラは中級モデルに入りますから価格帯は5万〜8万円台が中心です。(旧モデルが3万円前後で出ていることがあります。)
※高倍率をつくりだす際のトレードオフ としてセンサーサイズをあまり大きくできません。
〓高倍率ズームカメラのメリット〓
- 一台で広角〜超望遠をカバーしている。例えばCanon PowerShot SX70HSの場合、カメラ単体で21mm(広角)〜1365mm(超望遠)更にデジタルズームで2730mmまでをカバーしますが、同じくCanonで現在出している一眼レフ用で最大望遠のレンズは単焦点800mmでこれは175万円もします。
- 中にはデジタルズームながら最大10231mm(超々望遠)まで行くコンパクトデジタルカメラもありますが、これは1km先の人物を画面内いっぱいに捉えることができる倍率ですから用途によっては重宝すると思います。
■撮影と画質には妥協したくない。
何故デジタル一眼にしないでコンパクトデジタルカメラの上級モデルを選択するのか、そこは意見が分かれるところです。
レンズ交換式でない分、荷物が減らせて画質も文句なしというのが一応のメリットですしデジタル一眼には行かずコンパクトデジタルカメラの上位モデルで充分という考え方もあります。
但し、この上級モデルは安いものではないですし価格帯の幅も広いので何がその理由なのかちゃんと知っておく必要があります。
特にフルサイズコンデジと言われるものはデジタル一眼の中級モデル以上(40万円前後)の価格帯になります。
〓上級モデルのメリット〓
- レンズを交換して作風の幅を期待できるのが一眼デジタルの利点ですが、その部分を割りきってカメラ本体に備わったレンズの範囲で最大の利を得るのに適したものがこのクラスです。そのため画質や操作性その他の部分が最大限にブラッシュアップされています。
- このクラスの一部のモデルはフルサイズセンサーを用いています。
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・・・ここまでは目的別の大雑把な指針ですが、具体的に自分が必要とする最適なカメラは何なのかを決める際に重要なのがここから説明する各要素です。
以下を読んだ上でここまで使いこなす気はないかな…と思えば初級モデルのフルオートのみで大丈夫だと思います。
フ ルオートのモードはピント調整・適正露出を得るための調整をカメラが自動で設定を行いますが、撮影者の意図を読み取ってくれるわけではないので自分が撮り残したいイメージがあるならばフルオート任せではなく一部の要素を自分で設定する必要があります。
ここからはフルオートではなく絞り優先とシャッター速度優先で撮ることを想定して話をすすめます。
つまりコンパクトデジタルカメラの初級モデルは対象外です(一部モデルで可能なものもあります)
------------ ここから写真撮影の際に設定する各要素の解説です。 ------------
シャッ ター速度・絞り・ISO感度等の要素をはじめとして露出補正・ブラケット撮影・スローシンクロ撮影・逆光ストロボ撮影、バウンス、NDフィルター・偏光フィルターの 装着等々イメージ通りに撮影するためには設定や考慮する部分がたくさん出てきます。もちろん連写機能を使ったりリモコンや三脚が必要なシーンもあると思います。
以下、順番に解説していきますが、中級モデル以上のコンパクトデジタルカメラが対象です。
作例もコンパクトデジタルカメラで撮ったものを使用しています。
(内容的にはそのままデジタル一眼向けとして理解されてもけっこうです)
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センサーサイズ
先ずはセンサーサイズのことを知っておいてください。
フィルムカメラでは「フィルム」に相当する部分で、デジタルカメラではCCDやCMOSで撮像しています。
デジタルカメラのクラス(価格帯)を決定している一番の要因はこのセンサーサイズですが、センサーサイズはそのまま画質に影響してきます。解像度よりもまずはセンサーサイズの方を確認することをおすすめします。
フィルムカメラのフィルムに相当する部分。
奥に見えている平面な板状のものがセンサーです。(これはデジイチのAPS-Cサイズセンサーです)
フルサイズ | デジタル一眼・コンパクトデジタルカメラそれぞれの一部上級モデルにのみ。 |
APS-C | デジタル一眼の初級〜中級モデルとコンパクトデジタルカメラの一部上級モデル。 |
1.5型・1型 | コンパクトデジタルカメラ上級モデル。 |
1/1..7型 | コンパクトデジタルカメラ中級モデルと一部の初級モデル。 |
1/2.3型 | コンパクトデジタルカメラの初級モデルとスマホの一部。 |
1/3.2型 | スマートフォン |
※コンパクトデジタルカメラの上級モデルは 1型〜APS-C〜フルサイズ …と、内蔵しているセンサーの大きさがまちまちですが、フルサイズを使用しているモデルは上級の更に上位ランクと考えればいいと思います。
※解像度は誰もが理解できる数字で表現されているため広告上扱いやすく解像度◯◯◯◯万画素…のようにアピールポイントとして前面に出してきますが、それより先にセンサーサイズを確認して下さい。
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シャッター速度(シャッタースピード)
バルブ(bulb)〜◯秒〜1/8000秒あるいはそれ以上の速さまでありますが、日常の撮影で1/8000は滅多に使いません。
コンパクトデジタルカメラでは上限が1/4000くらいまでのものが多いようです。
バルブ:操作しない限りシャッターが開いたままになります。
1/8000:明るいレンズの使用が前提ですしそもそも身の回りにあまり1/8000が必要なものはありません。
シャッター速度を任意に調整するには主にシャッター速度優先(Tvモード)を使用します。
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シャッター速度の違いとそれで撮れる写真の比較です。
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逆にシャッター速度を遅くすると流れを強調した写真が撮れます。スローシャッターと言います。
どちらも肉眼では見ない世界ですが、ここにシャッター速度を扱う意味が出てきます。
✿ポイント
何れもシャッター速度優先というモードを使って撮影しています。
これは撮影者が自由にシャッター速度を設定できます。
適正露出になるようにその他の絞りやISOなどの要素をカメラが自動で設定してくれるモードです。(ISOも手動にすれば絞りのみが自動になる)
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《日常風景の中、目に見えない一瞬を切り取ろう!》
日中屋外の明るい場所で1秒、2秒とシャッター開く撮影は普通あんまりないと思いますが、もしこういう撮影をするなら光量を落とすNDフィルターや三脚は必須となります。
一方、人間の目には見えていなかった瞬間の姿を切り取るのならカメラ本体だけでチャレンジしやすいと思います。シャッター速度を上げるため手持ちでも大丈夫です。
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《日常風景の中、シャッター速度でシーンを演出してみよう!》
シャッター速度を遅くすれば動きが速いものは流れますが、動いているものを静止させて速く動いていることを写真で表現したい場合は、動いている被写体にレンズを向けて動きに合わせて自分もカメラを動かせば風景の方が流れます。 これを流し撮りと言います。
※流し撮りは右から左へ動くものを撮るのがいいのですが、下の写真は鉄橋と太陽位置のためこのアングルで妥協しています。
1/50秒:f8:ISO160 |
シャッター速度をいくつにするかはその被写体の動く速度・被写体までの距離によって雰囲気で決めます。
動く被写体が遅い場合はシャッター速度をもっと遅くして開く時間を長くする必要がありますが、シャッター速度が遅いとその分光がたくさん入ってきて露出オーバーになってしまいます。
それを避ける手段として、絞る・IOS感度を低くする・NDフィルターをかける等、他の部分を調整する必要が出てきます。
上の作例では1/50ですが快晴の明るい空間のためともかく光量を落とす必要がありました。
絞りはこのカメラの限界のf8にしていて、更に内蔵のNDフィルターをONにして光量を落としています。
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《普段気付かない動きを写真で明らかにしてみる》
次はシャッター速度を遅くして暗い夜空(星)を定点撮影した例。
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もちろん三脚に据え付けて90分間カメラが動かないようにしています。
通常は別途インターバルタイマーというものに連続撮影を任せますが、カメラによっては機能のひとつとしてそれを内蔵しているものがあります。この作例もカメラ単体で撮っています。
まず第一に夜空の星は30秒程度開けないと暗すぎて写らないのですが、それだけだと暗い中にたくさんの星が点として写るだけです。
そこで、その作業を90分のあいだ繰り返して行って最後にそれで撮った180枚の写真をPC上で比較明合成して1枚の写真にすれば軌跡が浮かびあがってきます。
尚、使用したコンパクトデジタルカメラはカメラ内部で比較明合成できるのでPCによる作業は行っていません。
比較明合成は花火写真によく使われる手法ですが、これについては別の機会にまとめます。
※Tv(シャッター速度優先):time value メーカーによってはSと表記されています。
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絞り
絞りはおそらく一番難解な部分であると同時に一番 絵作り操作が反映し易い部分だと思います。
写真撮影においての絞りはレンズに由来するものですからネットを捜すとデジタル一眼レフ向けとして解説されているものが多いと思いますが、コンパクトデジタルカメラでも絞りという概念はちゃんと存在しますし、Av(絞り優先)などの撮影モードもあるのでやはり意識しておく必要がある要素です。
と、いうより中級モデル以上のコンパクトデジタルカメラを買う人達はたいてい自ら絞りを意識してAvモードを使っています。
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絞りはカメラ内部…機械的には入光量をコントロールするため羽根斜幕でレンズの後方についています。
コンパクトデジタルカメラの方ではF1.8やF5.6、F8のように表現しています。
この数値が小さいほど開いていて、大きいほど閉じていることになります。
F値が小さいほど暗い場所で撮れる明るいレンズということになります。
レンズの一番小さいF値を開放F値と言いますが、 この部分はレンズ性能のひとつの目安にもなります。
……
コンパクトデジタルカメラの場合はレンズが交換できませんから、この数値はアピールポイントのひとつとして「F1.8-F2.8レンズ搭載モデル」のように表現されています。
※ズームレンズなのでこういう表現になっています。ワイド端はF1.8 / 最大望遠時(テレ端)はF2.8と言う意味。
絞り操作が撮像素子(センサー)に入ってくる光量を操作していることは確かです。
更に光学的には被写界深度という概念を作り出している部分でもあります。
つまり絞りを操作するということは、明るさ以外にピントが合う範囲をコントロールするという意味になります。
※ここはよく覚えておいて下さい。絞りの操作は…明るさとピントが合う範囲を動かしています。
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以下の写真は絞り優先(Avモード)で撮影した例です。
ここに並べた写真は見るとわかるとおり、絞り操作で被写体にのみピントを合わせて背景から浮かび上がらせる撮り方をしています。 主被写体にピントを合わせ背景をぼかすなら、先ずは絞りを開く(F値を小さく)のが手っ取り早いですがピントが合う範囲を必要以上に狭めていないかは意識する必要があります。 …… 花ひとつを浮かび上がらせたい…と思ってF値を小さくしたら雄しべの先端にしかピントが合わなかったということはよくあります。 |
※上にあげた写真は記録撮りやメモ撮りに分類されます。
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「ピントが合ったところ以外はぼける」…ってあたりまえのように感じますけれど実はそんなに簡単な話でもありません。
そもそも写ルンですとかピント調整の必要がないカメラも謎ですよね。
このあたりの理屈をわかっていないと周囲をぼかし被写体を浮かび上がらせる意図した通りの写真は撮れません。
これを支配している要素の一つが既に上に出てきている言葉ですが被写界深度(ピントが合う範囲)という概念です。そしてレンズの絞りがそれをコントロールします。
※被写界深度のことをDOF (Depth of Field)とも言います。
手っ取り早く表現すると、F1.8のようにF値が小さいと(絞りを開く)被写界深度が浅くなりピントが合う範囲が狭くなります。よってピントを合わせたところ以外はぼけます。
逆にF8のようにF値を大きくすると(絞ると)被写界深度が深くなりピントが合う範囲が広くなります。
F値が小さい = ピントが合う範囲が狭い(被写界深度が浅い) = 明るい
F値が大きい = ピントが合う範囲が広い(被写界深度が深い) = 暗い
・・・とりあえずこの関係を覚えておけば良いです。
絞りを操作するとピントが合う範囲が変わって明るさも変化。
と、いうことは入光量を左右するシャッター速度とも密接に関係がって部分に気づくと思います。
更に言うと被写界深度はレンズの焦点距離も関係しています。
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この被写界深度っぽいことはSecond Lifeでも扱えます。
以下は被写界深度を浅くしたり深くしたりしてピントが合う範囲を調べた時の動画です。
Second LifeのDOF(Depth of Field)機能はリアルのカメラレンズの被写界深度とは原理も理屈も異なるものなので鵜呑みはいけませんが、被写界深度の変更と画面の変化いう部分では参考になります。
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絞りを操作するということは…
- 被写界深度の変化(F値が小さいとピントが合う範囲が狭い・F値が大きいと広くなる)
- 明るさの変化(F値が小さいほど明るい・大きいと暗い)
- シャッター速度・ISOとの相互関係
- 焦点距離との関係
こう書き並べると理解が遠のく気がしますが、コンパクトデジタルカメラでひたすら絞り優先のAvモード を使って撮影していれば感覚的にすぐ身につくと思います。
まとめのTips:とりあえず簡単に被写体以外をぼかす方法
- 被写体に近付く・背景が遠くにあるようにする。
- 絞りを開く(F値を小さくする)
- 焦点距離を長く(望遠寄り)する
・・・逆に、、風景写真を撮りたい場合は全体にピントが合わなければいけません。
その場合は絞れば(F値を大きくすれば)被写界深度が深くなりピントの合う範囲が広くなります。
とりあえずF8くらいを目安に絞れば均等にピントが合います。
※ピントのことをフォーカスとも呼びます。両者は状態を示す言葉として厳密には違う意味ですが今のところ日本国内ではどちらも同じ意味として使われています。フォーカスリングをまわしてピントを合わせる…みたいな感じ。
※コンパクトデジタルカメラでは意識しなくても良いですが、絞り開放状態は明るい画像が得られる代りに周辺光量落ちや収差が目立つことがあります。F11以上に絞りすぎると今度は小絞りボケが出始めます。何れもデジイチ使用の場合のお話です。。
※AvはAperture Valueの略です。メーカーによっては絞り優先モードをAとのみ表記している場合もあります。
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ISO感度
ISOはデジカメになってから登場したように感じますが、フィルムカメラの時代からISOはありました。
撮像感度として国際的に決められた規格の意味ですが、フィルム時代の感度を示すものはASAの方がメジャーになったしそれでも不便はなかったのでISOはあんまり知られていません。
(フィルム時代はASA100とか400とか、フィルムの感度を示していました。)
つまりデジタルカメラのISO感度はそのままの意味です。
ISO100が基準ですが、この数値を上げていくと光量の僅かな暗い場所でも撮影ができることを意味します。
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ISO感度はAUTOにしておくことが多いかもしれませんが、これだけは覚えておいて下さい。
ISO感度が大きいと画像が荒れます。(ノイズが多くなります)
ISOは100が基準です。
1600や3200は多少ノイズが乗るかもしれませんが暗い場所を手持ち撮影で撮る際に使います。
6400以上になるとノイズが目立ち始めますが、どのへんまで許容できるかはカメラの画像処理エンジンによって違ってきます。
ですからこの数値内なら大丈夫という目安は存在しません。
ISO基準感度…最良の画質が得られます。
ISO常用感度…許容範囲内にノイズが抑えられるという意味。
ISO拡張感度…明らかにノイズが出てくる部分・非常時使用のために設けられている設定。
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ISO感度の扱い方。
【固定する場合】ISO感度を100や200、400に設定しておく。
- この状態でAvモードで撮ると、明るさに応じてシャッター速度が変わりますが暗い場所の暗いはシャッター速度を遅くして光量を得ようとしますからブレ・手ぶれに注意が必要です。
- この状態でTvモードで撮ると、明るさに応じて絞りが変わりますが、明るい場所は絞られ(被写界深度が深くなり)ピントが合う範囲が広くなりますが、暗い場所では絞りが開き(被写界深度が浅くなり)ピントが合う範囲が狭くなるのでそれが自分の意図に合うか注意が必要です。
【AUTOにしておく場合】ISO感度をAUTOにしておく。
- この状態でAvモードで撮ると、明るさに応じてシャッター速度が変わりますが、暗い場所の場合はシャッター速度をある程度まで遅くするもののISO感度の方も自動で変更されるのでブレ・手ぶれは起こりません。但しISO感度が上がることによるノイズが発生することがあります。
- この状態でTvモードで撮ると、明るさに応じて絞りが変わりますが、同時にISO感度も自動で変更されるので設定の確認が必要です。絞りがいくつになってるか(被写界深度はどうか?)ISO感度はいくつになったか(ノイズが出るような数値に上がっていないか)は確認しておいた方が良いです。
✿ポイント
ISOは写真撮影において画質をコントロールする部分です。そこは意識しておく必要があります。
その上で、日常的にどうやって使っていくかですが・・・
普段はAvで絞りをF5.6に、そしてISO感度AUTOにしていて咄嗟の撮影に対応できるようにしておき、ロケ地などで意図した撮影を開始する際にISOをAUTOから任意設定に固定・絞りもイメージにあわせて再設定するというのがいいと思います。
( ISO感度を100や200で固定しておくかAUTOにしておくか、どちらがいいかは意見が分かれるところですから慣れたら自分に合った方法を考えておくと良いと思います。)
※カメラによっては、AUTO時にどこまでISO感度を上げても良いかをユーザーが任意に設定しておけるものもあります。
例: ISO感度80〜12800の範囲を持つカメラ
AUTO時のISO上限設定を3200に設定しておくと、AUTO範囲は80〜3200になる。
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NDフィルター
このページの中にもちらっと出ていたNDフィルターですが、光量過多が予想される時に使用します。
つまり入ってくる光量を抑える役目を持っています。
通常はレンズの前に装着するものなのですが、コンパクトデジタルカメラの場合は機能として内蔵しているものが多いかもしれません。その場合はON/OFFの選択のみです。
どういう場合に必要なのか?
屋外の明るい場所でシャッター速度を遅くしたい!
(ISO感度も最低にしたし絞ったけれどまだ露出オーバーになる!)
こういう時にNDフォルターを使います✿
※被写体自体が明るい花火撮影でも使います。
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まとめ
シャッター速度 | 遅い:明るくなる | ⇔ | 速い:暗くなる |
絞り(F値) | 小さい:明るくなる(ピント範囲狭い) | ⇔ | 大きい:暗くなる(ピント範囲広い) |
ISO感度 | 小さい:暗くなる(ノイズ少ない) | ⇔ | 大きい:明るくなる(ノイズ多い) |
NDフィルター | 入れる:暗くなる | ⇔ | 入れない:明るくなる |
〜〜〜1月6日の分はここまで。
次回は露出補正・ホワイトバランス・RAW・ブラケット撮影・HDR・コンポジット・スローシンクロ・逆ストロボ・偏光フィルターあたりからチョイスする予定です。
この記事は公開設定になっていますがSecond Life デジアカMac部の部活1時間枠用として部活時間に捕捉説明を行う前提のメモとしてまとめていますので(記事のみ参照を避けるため)記事の転載及びリンクはお断りします。
また、デジアカMac部 部員の方以外のコメントもご遠慮下さい。
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