2022年7月31日日曜日

Google Mapsのタイムラインを利用して…

今回はGoogle Mapsのタイムライン機能を積極的に利用しよう!という話題です✿。
タイムラインの使い方はネットにけっこう転がっていますからその具体的な方法は割愛しますが、ここではタイムラインを使うことでどのへんが便利になるのか…活用法を扱います。


 1  タイムラインの概要  

タイムラインは自分の移動をマップにトラッキングしていく機能です。

この機能を使うことによって日別行動ログをつけていくことができるので出かけることが多い人や旅行の記録を残したい場合にはとても便利!

  • 『居場所をネットに記録していく…』というサービス自体プライバシーの塊ですからタイムラインは本人しか閲覧できません(共有機能もありません)。
  • 旅程のタイムライン情報を誰かと共有(もしくは一般公開)したい場合はタイムラインから日別KMLファイルをDLしてマイマップにインポートすれば反映されます。
  • 待ち合わせ等でお互いの位置確認する用途ならばGoogle Mapsにある「現在地の共有」を使います。(これはタイムラインとは別のものなので混同しないように)





 2  タイムライン使用は何が便利になるのか  
時間軸に沿った移動記録ですから、その日に自分がどういう動きをしていたのか?
○年○月○日○時○分頃に自分はどこにいたのか?…等が自動で記録保存されていくのがメリットですが、Googleアカウントの設定ミスや不正アクセス等で情報漏洩した際に何もかもが他人にわかってしまうリスクもあります。

まぁ、ネットに接続している & GPS付きのスマホを使っている限りGoogle云々関係なく既にどこかの会社にデータ収集されていると見るべきで本当に注意を向ける相手はそちらなのですが、悪意のある企業や国家のほかシステム上の仕方ない理由によるものも含まれるのでユーザーの私達はその懸念を頭の片隅に置いておくことくらいしかできません。


 2-1  自分の移動を地図上で視覚化できる。 

自分の移動がトラッキングされ地図上に!

タイムラインを使用するメリットですが具体的には以下のものがあります。
  • 地図上に自分の移動が表示される。
  • 立ち寄り場所・滞在時間が記録される。
  • 一日の移動距離の合計がわかる。
  • 区間移動距離がわかる。
  • 徒歩・自転車・車・電車など…何で移動しているのか自動判別。
  • 移動中に撮っていた写真は撮影地点(滞在場所)に自動追加される。

※ちなみに… よく利用する場所を自分で地図上にマークしておくことができます。 上の例で言うと「ハ子新田」・「西宝珠花緑地」となっている場所はコース上に自分で作った名称です。
何れも”休憩場所”としてよく利用する地点なので・・・



 2-2  GPSなしのカメラで撮影しても位置情報が追加される。 

ジオタグが付加されていない写真でも場所特定!


※2023年1月追記:この機能はGoogleフォトから削除されてしまいました。
詳しくはこちらをご覧下さい。
〜以下、記事は作成時のものです。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

意外に感じるかもしれませんが、GPS機能がないデジタルカメラで撮影したジオタグ付加のない写真でもどこで撮った写真なのか判明します。


もちろん特徴ある風景や建築物などを撮影したものであれば位置情報がなくても何の写真か容易にわかると思いますが、例えば地面を撮った写真だった場合・・・

GPS機能のないカメラで撮影した地面・・・・
後日この写真だけを見ても撮影場所などわかる筈がありません。
でも、行動時にタイムラインを使用していればどこで撮影したものか判明します。


写真をGoogleフォトにアップすると数分程度で撮影場所が特定されます。
写真のInfoを確認すると、撮影場所(推定)と地図に表示されています。

上はGoogleフォトの画面ですからタイムラインとは直接関係ありません。
タイムラインの情報を利用して場所特定をしている・・・という意味です。

つまりタイムラインがONになっていれば、○年○月○日○時○分にどのへんにいたのか行動データが逐次保存されていくので、同GoogleサービスであるGoogleフォトの方に写真をアップすると撮影日-時-分から場所が特定される…そういう仕組みです。

  • これはGoogle内で保持している記録の照合で行なわれるので、撮影当日のタイムラインさえ残っていれば例えば写真のアップが数年後であっても問題なく特定されます。
  • 年月日時分による照合なのでカメラの設定時刻が大きくずれているとうまく機能しません。
  • Googleフォトにアップした写真が対象です。




 3  トラッキング精度を高めるには・・・  
地図上に表示される自分の軌跡が本来移動していたルートから外れてることがあります。
何が原因でそうなるのか?その解決策を探っていきます。


 3-1  トラッキングが乱れる理由。 
トラッキングの乱れ・見た目の精度落ちはハードというよりむしろソフト面での問題と言えます。
つまりタイムライン生成用のデータとして間違った位置情報を返している等です。
この追従精度が悪くなる理由・キッカケは以下の通りです。
  • 暑い日
  • バッテリー残量が少ない
  • 鉄筋コンクリートの建物内にいる
要は…スマホは位置情報取得にあまり積極的でなくなるシーンがあるということです。
端末内の温度が上がった場合とかバッテリー温存のためとかが主な理由です。
それに関連しますが消費電力が大きいアプリが裏で動いていたらこれが原因にも!
あと、スマホによってはGPS情報を拾う頻度が控えめに設定されている機種もあります。

タイムライン(Google Maps)のGPS値取得は普段はスマホ端末のデフォルト任せなので追従精度はバッテリー残量や発熱具合などに左右されます。


 3-2  GPSロガーアプリ 

追従精度ならばGPSロガーアプリの方が上

ロガーアプリのもともとの用途が移動ルートを記録することですから、実は今回紹介しているタイムラインと出来ることがほぼ重なっています。
それなのになぜタイムラインを推しているのかと言うと、Googleならば総合サービスとしてファイルの扱いやインポート・エクスポートの部分が圧倒的に楽で全体的に敷居が低いからです。

一方、なぜGPSロガーアプリの方が精度が高いのかと言うと…
トラッキング専用アプリとして一定間隔でGPSを叩く仕様になっているからです。
一定間隔…その取得は時間(秒〜分)等で任意設定できます。


対してタイムラインは(殆どのその他アプリと同じく)GPSアクセス頻度はそこまで密ではありません。
でも当然実用レベルでの取得は行っていますから位置情報取得頻度を下げる要素…つまりバッテリー残量とスマホ端末の発熱具合に注意していればタイムラインでもひどくズレた記録をすることはないので普通の使い方であれば問題ありません。


 3-3  それでも出来る限り精度上げたい時は… 

 Google Mapsを道案内状態にすれば精度は上がる

Google Mapsで道案内ができる一般道を移動するだけならば目的地を設定(経路)して道案内状態にすればGoogle Mapsが間違いなくGPSを頻繁に叩くのでトラッキング精度も上がります。
まぁ、GPSを頻繁に叩かせるのが目的ですから、最初からルート外れを前提とした使い方…適当に目的地を設定して出かけても大丈夫です。ルート修正(再案内)でうるさいけど✿


但しそれでもトラッキングが大きくズレてる箇所が出ることもあります。
GPSロガーアプリを使用していてもたまに見られる現象です。
そもそもの位置情報取得ですがGPSは街の中では威力をあまり発揮できません。
様々なシーンが想定され車速信号その他センサーを用い総合システムとして対策されているカーナビ専用機とスマホはやっぱり違います。



 4  位置情報について  
最後に…そもそもスマホやタブレットが位置情報を得るその方法をまとめておきます。


 4-1  衛星測位システム 
一般的にGPS(Global Positioning System:全地球的測位システム)と呼ばれているもので軍事・航空・船舶・測量・地上交通管理・その他個人用途諸々含めて現代の文明に基づく人の活動・生活にとって切り離せない存在ですね。

GPSは31基の衛星電波から緯度・経度・標高を計算するものですが、電波到達の時間差を利用した三角測量法の仕組みから3(更に基準時間取得用の1基を加えて最低4)つの衛星電波が受信できれば正確な位置情報がわかります。
もともとは米国国防総省が軍事目的のために1970年代より開発と整備を進めてきたもので民間利用へは50~100m程度に意図的に精度を落として提供していました。
2000年5月にその制限も解除され現在ではフルスペックで利用が可能です。

尚、GPSというのはあくまで米国システムの名称なのでロシア・EU・フランス・インド・中国・日本は別名称で独自に運用しています。
結局のところGPSは米国管理システムなので特に敵対国では開発/実用化が緊急案件だったと思います。

日本では「みちびき」もしくはQZSS(Quasi-Zenith Satellite System:準天頂衛星システム)として知られています。
米国のGPSと併用した場合の精度は数Cm程度まで上がります。
米国GPSや中国BeiDouが10m、EUのGalileoが1mなのでCm精度のみちびきは世界最高精度を誇ります。(ロシアのGLONASSは50〜70m)

みちびき対応のスマホは今はけっこう多いですが、時期的なくくりで言うとiPhone7前後以降ということになります。

■ ・・・とは言っても衛星測位システムの精度はカタログスペックだと思ってください。
地域や周囲環境によって精度が変わります。
高精度で日本国内に恩恵のあるみちびきを捉えるiPhoneで10mと考えるべきです。

そう考えるとカーナビは米国のGPS頼りだった頃から既に実用的な精度(±3m)を持っていましたが、これはGPS以外の各種センサーと統合的に処理を行うソフトウェアあってのものだと思います。


 4-2  衛星測位システム以外の手段 

GPS頼りでなくても意外と使える
私自身、GPSをもったスマホを使い始めたのが2017年夏〜ですからそれまで位置情報取得は完全にこの手段に依存していました。

屋外でモバイルWiFiルーターに接続した iPod touchiPadMacノートなど・・・
(自宅で有線のネット回線に接続したものも一様に位置情報がわかりましたが)

市街地や観光地などでは10m前後くらいの精度がありましたから特に不便は感じていなかったのですが、これは本当に場所によります。
建物や人工物の少ない場所では200〜500m離れた情報になっていることはよくありましたし例えば山だと現在地が特定できない状態になり入山地域付近で位置情報取得が止まります。


その仕組ですが、代表的なものはPlaceEngineと言い以下の3つの情報から割り出します。

  • BSSID(マックアドレス)
  • SSID(ステーション名)
  • RSSI(受信信号強度)

そしてAP位置情報(物理的な住所)を記録しているデータベースと照合することで、位置を割り出す仕組みです。
これはAPが密集している地域なら5mくらいまで精度が出せますが周囲にAPが1つしかないような場所では極端に精度が落ちます。

新鹿沼駅 ←新鹿沼駅拡大 中禅寺湖畔 津市中心部付近
上の例ですが、鉄道路線沿いや駅ではかなりの精度が出ます。(誤差数m程度)
これは勝田駅の外でタクシー待ちの時に調べたものですが、正確にその場を示しています
中禅寺湖畔…ここは片側が(電波の来ない)湖ですが観光地なので精度が出ていました。
津市中心部付近…橋北中学校の裏手ですが、ここは大通り沿いで10mくらいの精度です。


GPSを直接受けないで位置情報を得る手段としては他にCoreLocationなどがありますが、これはiPhoneのGPSを借りてWiFiの位置精度を得るものです。



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